モンスター現る ─ 体長30mm超のダイコクコガネ
オスが大きな角を持つダイコクコガネは、カブトムシにも似ていて、子供たちの憧れの昆虫でしょう。日本の糞虫の中でも最大の種であり、昆虫少年少女の、いや大人のマニアをも虜にしてやまない。大人だってその魅力に取りつかれる人が多いのですから。私も大学生の時、採集したことがありましたが、これはまったくの偶然で、母校・宇都宮大学の附属農場の電灯に来てる小さなメスを1匹だけ採集しただけです。
今回、初めて本格的に牧場での採集をしてきました。その生態は、ほんとに、図鑑に書いてあるとおりでした! ダイコクコガネは排泄して数時間経った新鮮な牛糞にやってくるようです。牛が排泄して数時間程度の柔らかい牛糞をスコップでどけると
ダイコクが掘ったトンネルがあり、ダイコクの顔が見える。「しめた!」と思い、ピンセットで採集しようとすると、瞬時に消てしまう。素早くトンネルの奥に逃げてしまうのです。
その逃げ足の速さにビックリ! ずんぐりむっくりした体の姿からは想像できない俊足なのです。トンネルを少しずつ長いピンセットで崩していくと、牧草の根の下の赤土にダイコクはいました!この時、焦って小型のシャベルでザクザクとトンネルを掘り進めない方が良いでしょう。誤って、ダイコクをシャベルで傷つけてしまったり、潰してしまうことがあるからです。。このような感じでお昼の牧場での採集は、メスのほうが多く採れました。昼間の牛糞での採集だとの方が多いのかしら??
やはり長角のオスが欲しいですね(笑) 夜間にライトトラップをしたら、オスは飛んでこないものか?疑問に思い、早速、その日の日没からライトトラップをしてみました。この日の夜は蒸し暑く、ときどき雨がパラパラ。蛾類も活発に活動しており、ダイコクも点灯と同時に飛来してきました。羽音はカブトムシのように大きく、ライトを設置しているアスファルト道路にボトッと重量感のある音で落下するのですぐにダイコクだと分かります。1匹目はオスでした。
22:00を回った頃でしょうか?この日最大、モンスターが現れました! ライトの周りを飛んでいる時から、「かなり大きいな」とドキドキ、緊張感が走る。「早く道路に落ちてくれ!!」 ボトリと落ちたダイコクを拾いあげると、体長30mmを優に超える大きく立派な角を持ったでした。本日、最大のオスです。
この夜はオスも、メスも飛んできましたがオスの方が多かったです。ナイター終了近くの0:00頃、ムラサキシタバやシロシタバも飛んできました。ライトトラップは狙ったダイコクコガネ以外にも、蛾やカミキリムシなど他の昆虫も集まってくるのでひじょうに楽しい採集方法です。7~8月なら、子供たちが大好きなクワガタやカブトムシも飛んでくるでしょう。
ダイコクコガネのオスも、メスも、カブトムシやクワガタムシのようにからだの大きさが様々です。ダイコクコガネも当然大きなオスの方が長くて立派な角を持っています。長角(ちょうかく。長い角という意味)のオスの採集、これこそダイコク採集の醍醐味ではないでしょうか。
(終)